週刊マガジンで新連載の《さの隆『鉄の王』》ってさ、今流行りの身体乗っ取られ系漫画なん?

流行に乗らせたら日本一の漫画雑誌である週刊マガジンがまたまたしでかしたんじゃないですかねこれ。

新連載の「鉄の王」第一話では、隕石落下の翌日に小指からミサイルを発射して教師を殺害する。
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えーとですね、最近こんな漫画読みましたわ。イブニングで。たしか題名は「いぬやしき」、作者はGANTZ奥浩哉先生ですね。
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「いぬやしき」は、隕石が落下してきた翌日から身体に異変が起こり、不良に絡まれる浮浪者をミサイルで撃退する。

んでですね、かなり昔にアフタヌーンでもありました。ご存知、岩明均先生の「寄生獣」。これは機械ではなく生物ですがね。
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言わずもがなのストーリーですが、空から降ってきた生物に右手に寄生され寄生生物達との戦いに巻き込まれる主人公。ってところでしょうか。

身体を乗っ取られる系漫画のブーム

このジャンルは「デビルマン」が元祖で、「寄生獣」ですら「デビルマン」の影響下にあって若干の違いはあるものの、「乗っ取られ系漫画」のジャンルはやはり「デビルマン」から始まったと思う訳です。この「鉄の王」は確実にこの流れの中にあって、同ジャンル漫画として連載をスタートしています。

で、ですね。ここにマガジン編集部の悪意(というか商売気)を感じるわけです。

作者の<さの隆>氏については今回はじめて知った次第で誠に恐縮ですが、google先生のお力を借りたところ「打撃王 凛」という全17巻の絶版漫画を描いておられた御仁のようですね。17冊も出ていながら初めて見ましたけど。ただ「鉄の王」の1話を読む限り、画力はかなり高い方で、ストーリーもベタながらもまわせてます。ただ、「寄生獣」の映画・アニメ化とか、GANTZ後の奥先生の最新作が話題のこの時期に、このような作品を恥じらいもなくぶっこんでくるマガジン編集部にがっかりするわけです。そんなことばっかりやってるから小粒な作品しか出てこねーんだよマガジンは。

ただ「鉄の王」はパクリ漫画だとか非難する気は毛頭ございません。まだ黎明期ではあるものの「乗っ取られ系漫画」は1つのジャンルになったと認識するべきで、この「鉄の王」も先輩たちの作品に影響を受けながらも、この後の展開でオリジナリティを出していけばよいわけです。まあ多分、似たようなロボット人間たちと戦うバトル漫画になるんでしょうけども。ゾンビ映画が氾濫するように「乗っ取られ漫画」も氾濫すれば良いんだけど、漫画で流行に乗ろうとすると失敗するからお気をつけ下さいまし。連載はいつまでも続きますからね。

で、ついでに「寄生獣」の映画化は頑張っているようですが、監督が山崎貴ですからね、みなさん。

「寄生獣」予告 - YouTube
この作品は本来なら深作欣二監督の「バトル・ロワイアル」と同じレベルで残酷描写が必須なわけで、死体と血を写さずして主人公の苦悩は描けない。監督の山崎貴氏の今までの監督作は「永遠の0」「ALWAYS 三丁目の夕日」「ジュブナイル」でっせ。こんなぼっちゃん監督に任せると、大衆受けばかり意識して無難な映画になることが多い。いや、ホントに頑張って欲しいんだけど「映画版デビルマン」の二の舞にだけはならないことを祈りながらこの文章を終わります。
おしまい。

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