東村アキコ女史が絶賛したことで話題となった「僕の変な彼女」は不思議ちゃん系女子に絶賛オススメです。

モーニングの新人賞「第37回MANGA OPEN」にて審査員の東村アキコ氏が絶賛した「僕の変な彼女/三浦よし木」がモーニング本誌に掲載。気になっていた方も多いかと思いますがWEBからも読めます。app.morningmanga.jp

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【新人賞】 第37回MANGA OPEN、全受賞作を決定した白熱の最終選考議事録を公開! - モーニング公式サイト - モアイより総評抜粋。

[漫画] 『僕の変な彼女』
三浦みうらよし木き(愛知県・25歳)


東村アキコ 今回のMANGA OPENの作品の中で一番好きです! というより読み切りとしては人生でベスト10に入る作品ですね。読んでて何回も泣きました。世に言う「不思議ちゃん」と呼ばれる女の子が「なぜそういう子になったのか」というのが描かれてて、そこがすごい。私は今までそのことについて、きちんと描かれている作品を見たことがないです。「不思議ちゃん」は生まれつき「不思議ちゃん」だと思われるのが普通なんですけど、そうじゃなくて「不思議ちゃん」になるに至る経緯が感情とともに描かれていて、それがすごくよくわかる、共感できるものになっている。自分でわざと変なことをして「あ、今変なことをしている!」って思い込むところとか、すごく共感できます。きっと変なことをしている人たちって、みんなこの漫画の女の子みたいな感じだと思いますよ。絵もすごくいい。私はこの絵も大好きです。

森高夕次 僕はあまり高い評価をつけていないんですが、この作者は「どこまで確信して描いているのか?」というのが気になりますね。僕は天然でこういう作品を描いているのかと思ったんですけど、もしかすると、全部計算ずくで描いているんじゃないかなと。あと話がちょっと長かったので、構成的に見るとわかりづらい部分があったような気がします。作品自体でみると、この方は非常に将来性のある方だと思います。

事務局員・冨士 この方の持ち込みを僕が受けました。結構前ですが、他の雑誌で賞を取っています。演出とか、表現力がとても高い方だと思います。

東村アキコ この方は100%計算で描いてると思いますよ。

モーニング編集長・島田 俺も東村さんと同じく評価してます。すごく才能があると思うし、人間が普通に生きていることってどんなに価値があるんだろうって思える作品で、読んでて元気が出る話だった。こういうものすごくレベルの高い作品を描いてくる人って、一発屋じゃない?って思うんだけど、一発屋かどうか判断する基準は計算で描けているかどうかだと思う。もちろんこの人は計算して描いていると思うんだけど、やすやすと描いていない感じがいいんだよね。しっかりと考えられているから絵の迫力もすごいんだよ。

東村アキコ トーンとか使わずにこの画面ですからね。この若さで、ここまでセックスときっちり向き合って描いているのもすごいですよね。普通はぼかしたり、雰囲気でごまかしたりしがちなのに。

モーニング編集長・島田 ものすごいエネルギーで自分を覗き込んでいる感じがある。

事務局員・吉原 もし東村さんが編集者だったら、この人に次にどんなものを描いてもらいたいとかありますか?

東村アキコ 人にこの才能を教えたくない(笑)。自分だけで独り占めしたい! 雑誌にも載せたくない(笑)。

事務局員・吉原 (笑)。すごい才能だと思うんですが、それだけにこの先モーニングでどういうものを描いてもらったらいいか、悩みますね。

モーニング編集長・島田 月刊でもいいけど、一度週刊で頑張って描いてみたほうがいいんじゃない?

東村アキコ 私はこの人は何でも描けると思います。マジで何でも楽しんで描けると思う。

モーニング編集長・島田 これは最低でも東村賞は確定ですね(笑)。


morning.moae.jp

初っ端に登場するキュートな幽霊と裏腹にストーリーは彼女の独白シーンから痛々しくなってゆく。ああ、思い当たるよー、こんな子いたよー、と共感できるけど元彼女の幽霊という存在自体が暗い。ヘタすると青林工藝舎案件になりかねないストーリーを大衆向けにここまで消化しているのは見事。ただハッピーエンドになりえない話なので陰の強い印象がある作品。
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この漫画は東村女史が絶賛したことに意味があると思うし、東村女史が共感しているのも納得である。なぜならこの「変な彼女」は我々がイメージする東村女史そのものなのだから。あと最後に全く関係ないけど最近の東村女史は仕事請けすぎだと思いますデス。

おしまい。

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