沙村先生の新作「波よ聞いてくれ」の1巻が発売でござる。ラジオと恋愛の話ながらも恋愛成分は1%の愉快な漫画です。

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前に書いたエントリーはこれ。連載開始時のやつですな。arehasouhigashinosorani.hatenablog.jp

ようやく1巻が発売されましたもんでウキウキなわけですけど内容はまあ読めばいいじゃんって思います。ここから試し読みもできるし買って損はござーせん。afternoon.moae.jp

さーてさてさて、で、巻末で沙村先生のあとがきが載っているんだけどファンからするとこういうのが嬉しいなーと。買う人のためにここは画像は載せないけどね。この漫画のコンセプトは「ラジオと恋愛」そして「人の死なない漫画」だそうで、「いい歳なんだからエログロとかパロディとか控えないと・・・という強迫観念の結晶がこの漫画」とおっしゃっております。

少し前に岸本斉史×沙村広明の対談でも似たような発言をしておられますね。これです。

いや、俺はね、今は子どもがいないんですけど、もしこの先子どもができてある程度の歳になったら、もう自分のゲスな書棚とか丸ごと燃やして焚書ですよ。「こんなもん読んでちゃダメだ!」って(笑)。

でも、それもいいと思うんです。若い読者の方は刺激的だったりインモラルだったり倒錯的だったりするものに憧れるところがあるじゃないですか。で、俺に将来的に子どもができて性格が丸くなって、牙を抜かれたようなマンガを描くようになったら、たぶん若い読者からは「ああ、沙村は結婚してすっかりダメになっちまったな」みたいなことを言われるんだけど、今度はお子さんを持っている読者が共感するものがあると思うんです。

(対談の後編より)

[前編]岸本斉史×沙村広明対談
[中編]岸本斉史×沙村広明対談
[後編]岸本斉史×沙村広明対談

というわけで、まさにそうで、子供が出来たり歳をとったりすることであまり刺激的なものを求めなくなっていく。具体的に言うとビッグコミックが面白くなってくる。そう、ビッグコミックを立ち読みして面白いと感じた時、その時ひとは大人になっているのですよ。…とにかく「波よ聞いてくれ」は面白い。そして初版発行部数が恐らく少ない。どの書店でも平積みになっていないもの。だから場末の漫画ブログとして声を大にして言おう。みんな、買うべし。

おしまい。

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

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