「北北西に曇と往け」という珍妙なタイトルの入江亜季先生の新作はイケメンBOYが探偵するだけじゃない良い漫画だよ
入江亜季先生の新作は「車と話ができる」という少し不思議な能力を持つ青年の物語。「乱と灰色の世界」の完結からもう2年ですか。そうですか。時間が経つのは早いものですね。
「群青学舎」でキラキラした漫画の世界を見せてくれていた入江先生ですが「乱と灰色の世界」では少しトーンダウンというか上手いんだけど何か暗いお話になっていた印象でしたね。
今作では土や草や風の匂いがするようで、そしてやっぱり若干陰りがある雰囲気はあります。まあその『陰』の部分が先生の魅力ではあるんですがね。
ストーリー的には、アイスランドで探偵業をするイケメン青年の日常譚なんて読みたくねーよ。と思っていたら後半に登場する弟くんがいいキャラしてそうで盛り上がりそうだなあと思った次第です。
とにかく入江先生の魅力は画力と構図力。草木や風の描き方が独特ですごく素敵。ストーリーは重視せずまずは画の魅力から入るのもアリですよね。
次の巻も出たら買うけど、次出るの10ヶ月後とかだぜ。まあ気長に待って数年後にまとめて読み返すのが良いかもしれない作品ですね。
青野春秋先生の新作「花束をください」は花束と無縁の人生を歩むクズい私たちが共感できるクズ漫画です♡
人性で花束貰ったことあります?無いですよね。ね?そんな輝かしい人生の記憶はまったくない。
スピリッツ誌上で「100万円の女たち」を描き上げ(私に)絶賛されまくっていた青野春秋先生の新作「花束をください」は花束とは無縁の腐れ自殺志願者の二人が主人公。
若者とおっさんが首吊りしようとして出会うところからスタート。青野作品に一貫して流れる倦怠感は健在で、ものさしを使わずに描かれたヒョロヒョロとした建物や家具の中で、ダルい空気のストーリーが進行する。すごく面白い。
http://www.gentosha-comics.net/story/cat2875.html
そして青野先生は全くもって絵が上手くない(一般的な絵師さん基準で)んだけど、描く女はどれも可愛い。なんだろうね不思議だよね。すごく魅力的なキャラを描くよね。
でも連載先がバーズ!???え?バーズ?まだ生き残ってたのバーズ?
冬目景!いくえみ綾!月子!頑張っているような気がするよバーズ。しかしなあ、青野さんなら今のヤンジャンに載ってもトップクラスに面白いのに。もったいない。
一巻の最後でおっさんはアレに立候補するんだけど、クズはどこまでいってもクズだからクズなんだよってことを改めて世に知らしめて頂きたいなあとか妄想しておりました。
おしまい。
永遠のサブカルチャー漫画家である高浜寛先生がモーニングで掲載していた「エマは星の夢を見る」は良質な大人向け漫画
どんな漫画が好きなの?と尋ねられて「高浜寛」ですって言われるとサブカルチャー好きなのねえ、と思っちゃうよね。そんな人に出会ったことないけど。高浜先生の作品といえばテンションが低いオフビートで単調な漫画のイメージがあって、あまり面白みを感じない(失礼だな)というのが率直な感想。
でもこの「エマは星の夢を見る」は原作付きだからか非常に面白い。
内容は、主人公のエマがミシュランの覆面調査員として働く、という物珍しいお話。元ミシュラン調査員の実体験を漫画化ということで、ミシュランガイドの裏側を知れるというインテリジェントな漫画な訳です。
最近は猫も杓子も料理漫画ブームってことで、とりあえず雑誌に一本は料理漫画を載せとけよってノリで雑な料理漫画が増えておりますよね。異世界に行ったり鬱になったり博打場に行ったり球場に行ったり山に行ったりヒロシの昼飯事情だったり。まあどれも単調で食傷気味(料理漫画だけに)なわけだけど、この作品は新鮮。
読みながら思ったけど、美味しいものばかり出る話ってもう飽きたよね。この作品だとミシュランの調査がメインになるので、お店のサービスや料理をシビアな視点から評価する。ダメな店もあれば素晴らしい店もある、その緩急があるから面白い。初期の「美味しんぼ」の面白さもやはりまずい店の話とかがあって単に、食べて美味しい幸せってだけの話ではないものね。
高浜先生がモーニングで連載するっていうから、そんなメジャーな雑誌で大丈夫なんですかとか思ってほんと申し訳ない。
背景とかよくみるとかなり詳しく事前調査をしていて、あらかじめ単行本一冊分のボリュームだけ描く予定だったんだろうなあ。でもこの話はもっと続きを読みたい。高浜先生としては原作付きとかイヤかもしれないけど、絵とストーリーが良く合っていて読みやすくそして面白い。
ちなみに連載中の漫画だとイブニングに掲載している小林銅蟲先生の「めしにしましょう」が一番好き。なんせ料理がやり過ぎ&スケールがでかい&科学力を駆使するから面白い。そして漫画と合わせてブログで作っているところを載せているのがまた面白い。総じてすべからくやり過ぎ料理の数々。やっぱり針は振り切った方が面白いんだぜ。
evening.moae.jp
↓BLOG
negineesan.hatenablog.com
おしまい。
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- 作者: 小林銅蟲
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吉田戦車先生の新作「忍風! 肉とめし」がすごく好きなんですけど、これって恋ですか?(ちがう)
数ヶ月前(あいまい)からスピリッツで連載が始まった(今更かよ)吉田戦車先生の新作「忍風! 肉とめし」。すごく好き。
「忍者×肉×めし」という男ならみんな好きなコンボで毎回すごく楽しい。戦車先生もこう書いてるし。
スピリッツ新連載はマンガ家なら一度は描きたい忍者マンガです。『忍風!肉とめし』は7/15発売号から。 pic.twitter.com/CTyPDR634q
— 吉田戦車 (@yojizen) 2017年7月3日
「肉と飯の間に調味料以外は入ってはならぬ!」←この気持ち、すごくわかる!
男心をくすぐるこのセリフ凄い!
で、この後は毎週のところ新しい肉料理の模索が続くわけですが、現代日本が舞台で殿様と忍者がいて肉料理ばっかり出てくるという素適な漫画です。好き。
ご家老がスマホが欲しくて殿に内緒で基地局を建てようとしたりする話とか、現代と殿様のアンマッチ感もすごく楽しい。
もはや大御所なのに新しい作品を出す戦車先生はマジ凄い。
単行本が出たらちゃんと買います!お約束します!(ちゃんと買えよ)
おしまい。
おかゆネコ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
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常識から抜け出せ。意志強ナツ子の「魔術師A」は最高級の鬱漫画だよ
最近、この本をよく見かけて地雷臭を感じているあなた。はい、そうです、これはガロ系の流れを汲む正統派のサブカル鬱漫画です。ある意味で2017年を代表する20年後にもビレバンの本棚に残る一冊な訳です。
学歴がチェコ国立芸術アカデミー卒という何かわからんけど芸術エリートな香りがプンプンするわけで、そんなワールドなエリートが描く漫画の線がガロ系かと思うと目眩がするよね。
さて、内容はというと色々な女子が病んでるなあという話で、性的な話が多い。ただこの絵柄のせいでエロさは皆無なので完全なるサブカル漫画と化しております。
個人的にはコリコリ屋さんが一番おもしろかったので読んでみて欲しい。
seiga.nicovideo.jp
このカットだけでアウト感あるよね。
この作品もステキ。
to-ti.in
こちらは試し読みしてから買うべき一冊で100人に2人ぐらいはすごく面白かったと思えるんじゃないでしょうか。でもメンズには基本相性が悪いかと思いますん。
でもサブカル漫画なんて中身を確認してたら買わない選択することが多いから、何も考えず勢いで買ってしまえばいいよ!(無責任)
あと18禁の青年ホモ漫画もあって、その趣味はないけど笑ってしまったのでお好きな方はぜひ。
エクストリームマンガ学園019-1 意志強ナツ子 りゅうのすけくん 第一章
娯楽というより芸術に近い漫画なのでご注意を。
おしまい。
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今更だが「原田ちあきの挙動不審日記」と出会ってしまって感動したので書いておきたい
ぶらりと寄ったビレバンで平積みされていたのがこの一冊。
原田ちあき先生が描く「原田ちあきの挙動不審日記」。
そもそも表紙のサイケ感が強くて文字が読めない。題名が読めねーんだよ!
読んだらなんというかね、感動した。面白くて。
帯の吉田戦車先生のコメントにぐっとくる。
不安定でいびつなほんわかさ、
ギスギスしたほのぼのさに、
とても気持ちが落ち着く
by吉田戦車
さすが四コマ漫画のレジェンドである戦車先生。
さて、この「原田ちあきの挙動不審日記」はWEBで読める。
なんせ無料公開されちゃっているのだから。
tsubu.ganma.jp
この話とか
この話とか
この話とかがお気に入り。
この作品はなんだろう。サブカルなんだろうか。サブカルというにはあまりにもPOPでキュートなんだけど。
で、ググったら個人情報とプライベートが山のように出てくる。
まさに捨て身のスーサイドアッタク的なやけっぱちである。
西原理恵子先生の正当な後継者ではないか!とか思うよね。
このあたりの自分の身を切り売りする感覚、すごく好き。ぜひスペーリオールあたりで連載を持っていただきたい。
あと、作者の原田ちあき先生がかわいい(これ大事)
matome.naver.jp
出会ってない面白い漫画ってまだまだあるんだなーと思いました。
おしまい。
- 作者: 原田ちあき
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2016/05/07
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~煌めく変態の世界~野田サトル先生の『ゴールデンカムイ』に登場する変態さん達のまとめ
みんな大好きだよね野田サトル先生の「ゴールデンカムイ」だよ!
いろいろな変態が出てきたけど、全員思い出せるかい?!
俺はね、思い出せなかったよ!
だから今回は「ゴールデンカムイ」の11巻までに登場する変態さん達をまとめてみたよね。
さあ、みんなも一緒にめくるめく変態の世界へ行ってみよっ!
※ネタバレ多数のため未読の方は見ないように
ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 野田サトル
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/02/19
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